今日本でいろいろ問題になっているのは、今まであまりにもたくさんの塩素が残っていたということだと思います。その反省から今では法律上は欧米と同じ規格で、上限は1ppmとなっています。 日本は水からまだ汚染を取らない段階で、塩素ガスを使って微生物を殺しているので、この汚染物質に塩素が結合してしまいます。 このことに気がついたのは、13年前のあのダイオキシン騒動です。各自治体ではごみを集めて焼却処分していますが、その中に塩素を含むビニールなどが入っていますと、焼却時にダイオキシンが発生します。結果、大気を汚染し土を汚染し、そこで栽培された作物からダイオキシンが検出され、それを食べたわれわれの血液、最後は母乳にも出るとなって大騒ぎになりました。
このとき幸い、水道水からはダイオキシンが検出されませんでしたが、騒動の副産物として、日本の水道水には、いろいろな発がん性物質が含まれているということが証明されたのです。
さらに問題になるのは、アルミニウムでしょう。本来、水に物を溶かす力があったからこそ生命が誕生するのです。ところが、この水が物を溶かす特性と逆のことをするのが、アルミニウムです。

そこで、危険な物はいっさい使わない、「高度処理法」という新しい水道水の方法が、現時点ですでに、40か所の浄水場で運用されています。これはアルミニウムの代わりに活性炭を使って汚れを吸着させる、という方法です。汚れが吸着したら新しい活性炭に切り替え、古い方は取り出して洗って焼き直せば、何度でも使えます。塩素などという危険な物は使いません。オゾンで殺菌消毒します。従って発がん性物質もなく、浄化された水は、非常に安全でおいしい水だということがわかります。
しかし、この「高度処理法」は設備投資が100倍、ランニングコストも10倍かかってしまいます。ですから、全国的に導入するのは難しいでしょう。東京都はすごい勢いでこれに切り替えようとしていますが。
日本の水道水ほど、本当に透明でクリアな水はありませんが、残念ながらある意味では、日本の水道水が一番危険かもしれません。短期間で問題にはなりませんが、長期にわたって飲み続けると大変なことになるかもしれないようなものが、いろいろ入っているのです。
飲んだ水に含まれた、微量ながら多種類の有害物質は血液に入って肝臓に送られます。肝臓には二つの大きな機能があります。一つは食物を消化吸収して、栄養素をバラバラにしていったん肝臓に送り、そこから必要な各臓器に送り出すという役割です。二つ目は、その物質の中に危険なものがあると分解してしまおうという解毒作用です。ところがここでいう有害物質は、ほとんど分解できません。
そして、肝臓自らが有害物質を蓄えることになります。量が少ないので、5~10年は何の弊害も起きませんが、40~50年続けると、危険レベルに達します。
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われわれ人類は20世紀に、自然界に存在しない化学物質を1800万種類も合成して生み出しました。今も八万種類もの化学物質がばらまかれ続けています。その中にいろいろと怖い物質があるらしいです。いわゆる「環境ホルモン」と呼ばれるものです。
国連主導で、数年前に「ヒトゲノム作戦」が終了して人間の遺伝情報は解読されましたが、人間というのは、本当にたくましい生物です。これは、われわれ人類が誕生したときからもっている能力のおかげです。
それをホメオスタシス、「恒常性維持機能」と呼んでいます。人間は常に一定の状態を保ち続けようとする、強い機能をもってこの世の中に生まれてきました。これは現代人、われわれホモサピエンスに与えられたすばらしい力かもしれません。「ヒトゲノム作戦」、そしてミトコンドリアのDNAの研究結果により、300万年の間に、地球上には約20の人類と呼べる種が現れましたが、ほかの種は全部滅び、最後に現れた生物、それも最近の説では、せいぜい10万年前に現れたらしいわれわれホモサピエンスが唯一、生き残っています。
われわれ人間がたくましいとはいっても、過去に多くの人たちが病原菌などで命を失いました。ペストやコレラなどが流行して、何百万という死者が出た時代もあります。しかしこの伝染病や感染症は、1928(昭和3)年に抗生物質・ペニシリンを見つけたことによって、克服のきっかけがつかめました。その後、自然界を見渡してみると、次々と新しい抗生物質が見つかり、この構造を解析して人工的に合成することもできるようになり、70年前に始まり40年前には、ほとんどの伝染病を一応克服しました。
しかし、相変わらず多くの人が病気にかかります。「現代病」「成人病」と呼ばれるものがそれです。今では「生活習慣病」と呼んでいます。「生活習慣病」の予防に関しては、四つあります。まず、食生活。厚生労働省は、「毎日30品目以上の食品を組み合わせて、バランスのいい食事をしましょう」といっています。
二番目は運動不足にならないように、生活習慣を組み立てること。とは言いましても「スポーツしなさい」ということではありません。日常生活において有酸素運動をしなさいということです。歩く、走る、泳ぐ、自転車に乗る。
三番目はストレスをなくすこと。ストレスというのは、まともに受け止めるとダメージになります。クヨクヨするだけ損だ、という境地にさえなれば、ストレスはダメージになりません。
四番目は一日の生活リズムをもつこと。仕事のリズムも必要です。しかし一日働けば、当然疲労が蓄積しますから、これを自動的に回復するためにも、睡眠が必要です。ある程度の年齢になると、一日に10個程度のがん細胞ができます。しかし、しっかり睡眠をとると、これが自動的に修復されますから、睡眠は一番大切な項目です。
これらの項目に気をつけながら、過去に皆さんの体に入ってきた、悪い化学物質を追い出す努力をしていただきたいのです。
それにはどうしたらいいでしょうか。水をたくさん飲むことです。日本人の体には、2.5リットルの水分が毎日新たに入ってきますから、できるだけ、多めの水を飲んでいただきたいのです。もっとも、飲む水が悪ければ意味がないので、本当の特性をもった、よい水を飲んでいただきたいと思います。
水の大切さをある程度おわかりいただけたと思いますが、私が提唱する「水飲み健康法」というのは、あくまでも「予防医学」です。健康な方が今の健康を、これからも守ってくださいというものです。
人間の細胞は永遠に同じではなく、常に置き換わっています。根本的に体質改善が行われます。30歳以下だと、3~6ヶ月で体質が改善されます。しかし30代、40代とだんだん時間がかかりまして、50代になると体質改善に、1,2年かかります。いい水をたくさん飲んで、体の悪い物を全部追い出して、本当の健康状態を取り戻されることをお勧めします。
水には予防的な働きがあります。世界各地に体によいと評価を呼ぶ、言わば「奇跡の水」があるのはご存じだと思いますが、そういう水の共通の特色は、火山地帯に降った雨水が火山活動でできた火成岩の間をくぐり抜けて、ふもとでわき水になっているということです。これを飲むと、そこに含まれる活性水素が生活習慣病を予防してくれるのです。
そして、いい水をたくさん飲むと脳の視床下部の働きも回復します。われわれが本来もっている力で健康を取り戻すことができるのです。
すべての生物は、水という環境で生み出されました。水なしでは生活はできません。もちろん飲み水だけではなく、いろんな場面で水は必要です。水を取り巻く環境を大切にして、生活習慣に気をつけて、ご自分の今の健康を維持していただくことをお願いして、私の話を終わりにしたいと思います。
国際ロータリー2560地区広報セミナー講演要旨
河口宏太郎氏 水と健康より抜粋